インドネシアの将来は? 名前: 渡辺 穣二 [2008/08/08,12:08:27] No.4
インドネシアは、1997-98年のアジア通貨危機で、ASEAN諸国の中で最も大きな打撃を受けた国である。その原因は、経済の殆どを握る華僑の人々が、社会的な混乱の中を逃げ出さざるを得なかったからだと言われている。

その後、10年近く経た現在、マレーシアやシンガポールからその多くが、戻っているとは言え、彼らがインドネシアを大切な祖国として愛することができるかどうか、大きな疑問であろう。

と言うのは、インドネシアは、世界の中で最も人の出身、性別、学歴、人種、人間関係を気にする「人基準」の国ではないかと思う。その意味では、日本にかなり近いように思われてならない。

政府職員にしても、幹部に中国系が多数働いているマレーシアと異なり、インドネシアは、非常に少ない。それは、インドネシアで中国系が、経済の8割を動かしているという事実と相容れないものだろう。

大前研一は、かつてのセミナーの中で、「インドネシア人は、・・・まずは、自国への文句を言うのを止めるべき」と提言されたが、その通りである。

しかし、今のままでは、人口の97%を占めるマレー系のプリブミの多くは、文句を言っては、自国経済に貢献しない理由を探し続けるだろう。

98年の通貨危機に端を発した暴動では、2千人以上の中国系住民が殺害された。彼らの多くは、中国語ができないインドネシアで生き続ける勤勉で善良な人たちである。

2007年に、私が実施した調査では、インドネシアから日本で学ぶ中国系インドネシア人大学院生に尋ねた時、これからのインドネシア政府は、人種、出身に関わらず優秀な人材を登用する方向だと言う。

それを聞いて、ゆっくりではあるが方向が変わりつつあると思った。

強い意欲をもって、これまでの差別政策を止めない限り、インドネシアは、次の発展段階には、移行できないような気がする。中国系が生き生きとビジネスできなければ、日本人や他の外国からのビジネスマンも経済に貢献しにくいのである。

80年代には、3万人在住した日本人の数も通貨危機以後、未だに1万人程度である。(韓国人は、3万人へと増加しているらしいが。)

「人基準」ならぬ人間の出身を気にせず評価すると言う差別のない「仕事基準」社会を造ろうとする政策が必要だと思う。

そうなると、社会的な暗黙の保護政策の恩恵を受けられないプリブミ(マレー系)の中にも、猛烈に努力し始める人が現れるのではないかと思う。

現地の中国人を含めあらゆる人種のビジネスマン達への邪魔をしない政府や政策が、インドネシアでも必要だと思う。


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